開店してほどなく、ラーメンマニアの間から「これは旭川一の塩ラーメンかもしれない」という声が挙がりだした、塩ラーメ
ンの名店。店の内外は小綺麗ではあるがごくありふれた印象、ごく普通のメニューの内容、さらに出前をやっているな
ど、一見ではこだわりのラーメン屋にはとても見えないが、女性店主が独学で研究を重ねた末に生み出した絶品塩ラ
ーメンが、今では広く支持を集めている。

自家製のラードが浮いた熱々の塩ラーメンは、一言で言えば純連系の旭川ラーメン版といった印象。とんこつ、野菜、
三石産の昆布などから採られるスープは、深いこくがあり、なおかつさっぱりとした仕上がり。独特のフォームで湯切り
をされた旭川麺はふんわりとした食感が心地よく、スープとの相性も文句なし。調理場では襟を正してきびきびと調理を
続ける店主、ここからもラーメンに対しての真摯な姿勢が伝わってくる。これだけ真剣に作られたラーメンがワンコイン
で食べられるのはなんとも嬉しい。接客態度も抜群で、女性店主の本当に素敵な笑顔は、晴れ晴れとした気分にさせ
てくれる。

気になるのは、甘さが口内にずっと残り続けること。とはいえ甘めのラーメンが得手ではない私でも絶賛したくなるのだ
から、かなり旨いラーメンであることは間違いない。

味噌もなかなかだが（私には辛かったが）、初訪ならここは絶対に塩を頼むべき。なお、ぎょうざも評判がいいようだ。

（最終実食日　平成１５年１０月２１日）

平成１７年７月３１日、店主の腕故障により閉店しました。もし良くなるようでしたら、再開を心待ちに
したいです。