釧路ラーメン概要




(平成14年5月8日 執筆)
(平成16年8月27日 訂補)


もともと、釧路ラーメンという言葉はあまり使われることはなかった。最近になって言われ出した言葉である。ではなぜ
最近になって釧路ラーメンという言葉が頻繁に出回るようになってきたのだろうか。


ラーメンブームと言われるようになって久しい。特に北海道では、札幌、旭川、函館と、人口上位3都市全てがラーメン
を観光の目玉の1つとしており、観光産業に多大な貢献をしている。
そこで、北海道第4の都市である釧路の人たちが、「我が街でもラーメンを売り出そう!」と考え出すのは当然の流れで
あろう。それが具体的に動き出したのは、平成12年10月に初めて開催された「釧路ラーメンれんが横丁 〜麺の細道
〜」からである。釧路のラーメン店7店が1つの会場でそれぞれ屋台を出店し、会場に来た人たちに食べてもらうという
イベントだ。北海道内のマスコミにも取り上げられ話題を集めた。翌13年にもその第2回が開催され、参加店も10店
に増え、前年以上の盛り上がりを見せた。


では釧路ラーメンとは一体どのようなものなのか。いくら釧路の人々が盛り上げようとしても、釧路ラーメンと言えるだけ
の特徴がなければ、“釧路のラーメン”とは言えても、“釧路ラーメン”と呼ぶことはできない。
ところが、釧路のラーメンにははっきりとした特徴があるのだ。しかも他地区には見られない特徴が、である。今までご
当地ラーメンとして取り上げられなかったのが不思議なくらいだ。
釧路ラーメンの特徴は一言で言えば、「素材に鰹を使ったあっさり醤油スープに、かなり細めの縮れ麺」である。その他
のラーメンも見られるが、主流は紛れもなくそれである。素材は店それぞれ、香味野菜や煮干し、昆布なども使用する
が、やはり基本は鰹だしといえる。麺は北海道の中では最も細く、全国的に見てもこれほど細い縮れ麺はそれほど見
られないのではないか。添加物も控えめで、舌に優しい素朴な味わいがある。加水率は34〜38%が主流。
醤油ラーメン以外では塩ラーメンも人気だが、味噌ラーメンの人気はやや低め。


釧路ラーメンの始まりは、大正時代に横浜から来た料理人が「支那そば」として伝えたのが最初であるという見方が強
い。この支那そばを釧路の風土に合ったものに改良し、昭和初期にはすでに現在のスタイルの原型に近いものが出来
上がっていたと見られている。また、このころにはすでに市内ではラーメン屋台が多数存在していたことが記録に残っ
ている。


現在の釧路ラーメン最大の人気店は『秀航園』。住宅地の真ん中にありながら、行列が頻繁にできるほどの人気ぶり
だ。また、市内にある『春鶴』『夏堀』は、秀航園で修業した人が開いたラーメン屋で、こちらも人気店となっている。いず
れは「秀航園系」という言葉ができるかもしれない。
知名度的には秀航園に劣らないのが、昭和34年創業の『まるひら』である。このまるひらに対する道内のラーメン好き
の評価は非常に高く、全道各地に多くのファンがいる。釧路ラーメンの本流ともいえる鰹だしと細縮れ麺のあっさりラー
メンがまさに絶品。一般的な北海道のラーメンのイメージを覆す、感動のラーメンが釧路にある。







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