函館ラーメン概要




(平成14年5月8日 執筆)
(平成15年5月14日 訂補)


「札幌ラーメン概要」「旭川ラーメン概要」で述べたように、「札幌=味噌」「旭川=醤油」という一般のイメージは、必ずし
も正しいとは言えない状況になってきている。函館といえば一般には塩ラーメンと見られているが、では「函館=塩」の
定説も崩れつつあるのだろうか? 
答えは「マル」。「函館=塩」という構図は以前ほど堅固なものではなくなってきている。特に味噌ラーメンの人気が上昇
していて、現在の函館の人気店『高橋屋』『麺次郎』では、味噌ラーメンをトップメニューに据えている。これらは開店し
てから年月が浅く、「新・函館ラーメン」創生の旗頭といえる。他にも現在の函館では味噌ラーメンを一押しする店が複
数あり、明らかに函館も変わりつつあると言えよう。
もちろん塩ラーメンの人気も依然根強い。『あじさい』『一文字』『松らく』『鳳来軒』などの人気店では、文句なしに塩ラー
メンが一番良く売れている。観光客を中心に大賑わいを見せている『マメさん』に至っては、塩ラーメン専門店となって
いる。


函館のラーメンは海産物はそれほど使われていなく、とんこつを中心とした動物系素材の弱火煮出しが主流だが、こ
れも最近はやや変わりつつある。一般の函館ラーメンのイメージとはかけ離れた白濁とんこつスープも現在では決して
少なくはない。麺も元々は中細のストレート麺が主流だったが、最近では様々な種類の麺が見られる。


さてその函館ラーメンの始まりだが・・・函館といえば我が国最初の貿易港ができた街として有名だが、中国との交流も
古くから行われており、そこからラーメンに似たものが伝播されたであろうことは想像に難くない。大正時代にはすでに
函館では「支那そば」という名称でラーメンを出す店が多数存在していたという記録もあり、全国でもいち早くラーメン文
化が開花した街といえる。
なお、函館はラーメン発祥の地だという説がある。最近になって、明治17年発行の新聞に「南京そば」と書かれた記事
が見つかったのだ。ただこの南京そばが、現在のラーメンに近いものであるかどうかは定かではない。







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