北海道ラーメン概要


※以下全文、並びに札幌・旭川・函館・釧路ラーメン概要は、管理人(どん)のオリジナル文章です。(引用文はほとんどありません)



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(平成14年5月8日 執筆)
(平成15年5月14日 訂補)

北海道の3大ラーメンといえば、言うまでもなく「札幌・旭川・函館」である。しかし最近ではこれに釧路が加わろうとして
いて、今では「北海道4大ラーメン」と呼ばれることも多い。


ではそれ以外の地域はどうか。上記4市は、人口の面で見ても北海道の上位ベスト4である。そこで、まずは人口5位
の帯広市から。
帯広にもラーメン店はかなり多い(釧路よりも多いらしい?)のだが、残念ながら帯広ラーメンと言えるほどの傾向はな
い。強いて言えば、麺の太さは中太が主流で(やや低加水?)、とんこつだしの醤油ラーメンが比較的多いというくらい
か。ただ地理的には釧路と同じ道東地方に属するのだが、釧路のような極細縮れ麺はほとんど見られず、素材には海
産物よりも陸のものを使用している割合が高い。釧路と違って内陸にあるというのがその要因だろう。


人口で帯広に続くのは、苫小牧市や小樽市。
苫小牧にもご当地ラーメンと言えるほどのものはないが・・・少々苦しいが、なんとか地ラーメンと言えるかもしれないも
のは存在する。それは「カレーラーメン」。苫小牧市植苗にある『味の大王 総本店』が始めたものと言われており、苫
小牧〜登別〜室蘭のラインには、カレーラーメンをメニューに据えているラーメン店が多く見られる。この苫小牧〜室
蘭地区には、奇抜なラーメンを出す店が多く、カレーラーメン以外にも「牛乳ラーメン」「キムチラーメン」「じゃがいもラー
メン」「トマトラーメン」・・・云々、変わり種ラーメンが多い。
小樽は「小樽運河食堂」や、全国的な有名店『初代』があるが、地理的に見ても札幌の隣り街であるし、ここも残念なが
ら小樽ラーメンと呼べるほどの傾向はない。


東京には「室蘭ラーメン」を掲げているラーメン屋が存在するが・・・実際の室蘭はそれほどラーメン処と言うほどでもな
い。ただ、室蘭といえば昆布が名産だが、実際に室蘭では昆布を使うラーメン店が多いらしい(詳しいことは分からない
が)。前述のとおり、カレーラーメンもよく見られる。


他に人口が多い都市としては北見市が挙がるが、私は北見、網走、稚内など、北・北海道地方のラーメンは旭川以外
ではそれほど食しているわけではないので一概には言えないが、際立った特徴はないように思える。強いて言えば、現
在の旭川の主流とは違い、比較的あっさりめのラーメンが多いというくらいか。それと旭川より北側の地域では、多加
水麺はさほど見られず、全体的にぼそっとした麺のように感じる。


道北のラーメン処といえば旭川だが、旭川以外にもラーメンを強調している地域がある。それが、旭川の東側に位置す
る上川町である。小さな町だが、「ラーメン日本一の会」が結成され、「全国ラーメンサミット」が開催されたりと、町の名
物としてラーメンに期待を寄せている。上川ラーメンの代表店は、関東地方にも姉妹店を出している『あさひ食堂』。そ
の芳醇な味噌ラーメンは一度食してみる価値がある。


他にも、岩見沢市、江別市、千歳市などにはそれぞれ人気店が数店あるが、これといった傾向は見られない。千歳で
は「千歳ラーメン」を名乗っている店がわずかにあるが、千歳のラーメンに特に共通項は見当たらない。千歳ラーメンを
強調している『麺太郎』では、千歳の名産であるハスカップを使用しているというが、他の千歳のラーメン店でハスカップ
が使われているという話は聞かない。


『麺太郎』のように、地元の名産品をラーメンに使う例は数多くある。道北の愛別町はきのこで有名だが、きのこを素材
に使ったラーメンを出す『ドライブイン39』という店があり、これが絶品である。他には牡蠣の名産地・厚岸町での牡蠣
ラーメン、帆立貝で有名なサロマ湖周辺では帆立を具に使用したラーメンなどが見られる。






私は北海道外のラーメンも食べ歩いているので、その視点から北海道全体のラーメン店を見渡しての特徴を挙げてみ
たい。


まずはメニューについて。北海道のラーメン店では、塩、醤油、味噌の3味がそろっているのはごく当たり前だが、実は
これは北海道だけの特徴である。道外でもその3味をそろえている店はあるにはあるが、全国的に見るとスープは1〜
2種類のところが多い。
北海道版・冷やしラーメン(当サイト「北海道ラーメン用語辞典」参照)を出すラーメン店もあるが(夏季限定メニューとし
て出している店が多い)、冷やしラーメンをメインにしている店はまずなく、人気はそれほど高いとは言えない。
「野菜ラーメン」をメニューに据えている店も比較的多く存在する(道外ではあまり見られない)。言うまでもなく北海道は
野菜の宝庫であり、当然といえば当然かもしれない。


これも北海道のラーメン好きにとってはごく当たり前のことに思えるが、北海道のラーメン店(特に都市圏)ではほとん
どの場合、のれんに製麺会社の名前が入っている(これも道外ではほとんど見られない)。北海道では、その店に麺を
提供している製麺会社が店にのれんを贈るという習慣が確立しており、北海道の麺のレベルの高さはその習慣にも関
わりがあると言われている。ちなみにこの習慣は、旭川の老舗製麺会社「加藤ラーメン」が始めたものという。







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