北海道ラーメン用語辞典

北海道のラーメンのことがよく分かる?用語集です。一般のラーメン用語も含まれています。




味玉  あじたま
味付け玉子のこと。今爆発的ブームの半熟の味玉は、10年ほど前に東京で生まれたもので、まだ歴史は浅い。


油そば  あぶらそば
主に東京の一部のラーメン店で見られる、ラーメンのメニューの一種。ラーメンの麺と具はそのままだが、スープがなく、代わりに油とたれを混ぜた
食べ物。


家系  いえけい
横浜発祥のラーメン系。店名に「家」を付けることからそう呼ばれる。北海道では『山岡家』『六角家(札幌市〜閉店)』『らもみ(札幌市)』がその流
れを汲むラーメン店として存在する。ラーメンの特徴は、極太ストレート麺、スープは濃厚とんこつ醤油、具にはのり、ほうれん草。それが基本形だ
が、その基本を踏襲しつつ新たなラーメンを作り上げている店も多い。


加水率  かすいりつ
麺の水分の含有率のこと。札幌・函館・釧路は34〜38%程度が主流だが、旭川は30%前後と低めなのが多い。


化調  かちょう
化学調味料のこと。これをスープに入れることにより旨みがぐっと増すので、量の多寡はあるがほとんどのラーメン店が使用している。ただ、入れす
ぎると人工的な甘さになり、後味に変な味が残ったりする。また、体質によっては舌がしびれたりする人もいる。
最近は、化調頼りの単調な旨みではない、素材の純粋な旨みを引き出そうと、化調を使わない(無化調)ラーメン店も増えている。化調の使用を極
力抑えること、あるいは全く使わないことが、最近の一流店のステータスとなっている。ちなみに“化学調味料”はあらゆる料理界で使われるが、
化調という略語はラーメン界でしか使われていないらしい。


加藤ラーメン  かとうらーめん
旭川の老舗製麺会社。旭川ラーメンを東京に広めた立役者でもあり、その功績は大きい。旭川で主流の麺(加水率の低い中細縮れ麺)はここが
元祖。なお、製麺会社なのに「加藤製麺」ではなく「加藤ラーメン」なのは、ラーメン用の麺しか作っていないからだとか。


上川ラーメン  かみかわらーめん
旭川市の東部50kmに位置する上川町は、小さな町だが「ラーメン日本一の会」が結成され、「全国ラーメンサミット」が開催されたりと、町の名物
としてラーメンに力を入れている。町内にラーメン店は10数店あるが(ただしラーメン専門店はごく少数)、そのうちの1店『あさひ食堂』は、関東地
方にも姉妹店を出しており、上川ラーメン普及の中心的存在となっている。


カレーラーメン  かれーらーめん
その名の通りスープにカレーが使われているラーメン。北海道では、苫小牧・室蘭地方でよく見かける。


かん水  かんすい
ラーメンの麺を作るのに欠かせない素材(ただし無かん水で麺を作ることも不可能ではない)。主成分は炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアル
カリ性の物質。ラーメンの麺特有の食感を出し、麺に黄色みを帯びさせる効果などがある。


山頭火系  さんとうかけい
『山頭火』(または山頭火系)で修業経験のある店主が開いたラーメン屋たちのこと。『味乃たま川』『さわや』『麺屋 三四郎』(以上札幌市)『蔵』
『ひびき』(以上旭川市)『兼丸』(石狩市)『風来居』『山形家』『旭屋』『梁山泊』(以上東京都)など。
また、実際に山頭火で修業はしていなくても、それに似たスタイルであってもそう呼ばれることもある。


新横浜ラーメン博物館  しんよこはまらーめんはくぶつかん
神奈川県横浜市にある、世界初のラーメンテーマパーク。全国各地の有名ラーメン店が8店出店しているほか、期間限定店が1店あり、計9店の
ラーメン店が存在する。ラーメンの歴史なども知ることができる。通称「ラ博」または「ラー博」。


純連  すみれ(じゅんれん)
札幌にある老舗ラーメン店。新横浜ラーメン博物館にも出店している、日本で一番有名な北海道のラーメン店。
昭和39年に札幌市豊平区中の島で創業した『純連(すみれ)』は、そのうち店主の努力が実り、人気店となっていく。そして昭和58年、移転を機
に店名の読みを「じゅんれん」に改める。昭和62年に店主が引退し長男に引き継ぎ、その後も『純連(じゅんれん)』として順調に発展していく。
平成元年、三男が創業の地・中の島に『純連(すみれ)』を開店する。こうして読み方が違う2つの『純連』ができあがったが、それぞれ経営は独立
していて、事実上全く別の店となっている。ちなみに創業者はその後復帰し、札幌市北区で『らーめんの駅』という店を開いた(平成16年2月に閉
店)。


純連系  すみれけい
『すみれ』で修業経験のある店主が開いたラーメン店たちのこと。おおむねすみれのラーメンの特徴を引き継いでいるが、各店独自色を出そうと奮
闘している。『やぶれかぶれ』『狼スープ』『麺屋 彩未』『麺武 はちまき屋』『千寿』『麺家 唐吉』『空』(以上全て札幌市)『麺彩 赤のれん』(千歳
市)『麺武 ざぼん』(豊頃町)『大雅』(埼玉県羽生市)『北道』(静岡県富士市)など。
なお札幌の『ひでん』と『ラーメン達(閉店)』も純連系だが、これらは『じゅんれん』の出身者。


Wスープ  だぶるすーぷ
2つの寸胴にそれぞれ違う素材を入れてだしを採り、それらを合わせてスープを作る手法。1つの寸胴に全ての素材を入れてだしを採るのが普通
だが、それだと各々の素材がうまく生かされない場合もある。それを解決するために、別々の寸胴でだしを採って後で合わせる手法が編み出され
た。


豚醤  とんしょう
とんこつ醤油ラーメンのこと。特に横浜家系のような、とんこつと醤油がガツンと出た濃厚なとんこつ醤油ラーメンを指してこの言葉が使われる。


はるゆたか  はるゆたか
北海道産の小麦種の1つ。はるゆたかで麺を作ると旨みが豊かな麺に仕上がるが、穫れる数が少ない(=値段が高い、手に入りにくい、味が安
定しない)、腰が出にくい(=伸びやすい)などの難点があり、実際に麺に使っているラーメン屋は少ない。ちなみにラーメン用の麺は通常、アメリカ
産やカナダ産などの外麦を使って作られる。
以前は道産小麦を使うラーメン店はほとんど見られなかったが、最近は増えてきている。


冷やしラーメン(北海道版)  ひやしらーめん
全国標準で冷やしラーメンといえば普通、山形県発祥の「見た目は普通のラーメンだが、スープが冷たい」ラーメンを指す。だが道民なら分かるよう
に、北海道で冷やしラーメンといえば、(全国標準でいう)冷やし中華と同じものである。つまり北海道では、「冷やしラーメン」と「冷やし中華」は同
義なのだ。ちなみに“全国標準でいう冷やしラーメン”は北海道ではほとんど見られない。


無化調  むかちょう 
化学調味料を一切使わないこと。(「化調」の項を参照)


ラ   
「ラーメン」の略語として使われることがある。「ラを食べ歩く」「ラサイト」などと使う。


ラーメンフリーク  らーめんふりーく
簡単に言えばラーメンマニアのこと。マニアというと聞こえがよくないせいか、この呼び名が広まっている。同義に「ラーメン通」「ラーメニスト」。


ラーメン横丁  らーめんよこちょう
30年以上の歴史がある札幌の名所。観光ガイド誌などにはよく「名店が数多く出店していて、地元のラーメン通から熱い視線を浴びている」・・・な
どと書かれているが、これは真っ赤な嘘である。「単にラーメン屋がたくさん集まった場所」と考えて差し支えない。








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